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2004 年度 実績報告書

金属上に不斉点を有する新規金属錯体を利用した不斉炭素-水素結合活性化反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15550091
研究機関大阪大学

研究代表者

片岡 靖隆  大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (90221879)

キーワードCp'-P配位子 / ロジウム / π-アリル錯体 / 金属上の不斉点 / exo型 / リニア型 / アリル位アルキル化反応
研究概要

本研究の目的は、金属上に不斉点を有する遷移金属錯体を用いた不斉触媒反応の開発であり、ターゲットとする反応は、不斉合成を絡めた任意の炭素-水素結合の切断およびその官能基化である。平成16年度は、炭素-水素結合活性化反応に利用可能な金属上に不斉点を有する新規錯体の合成をテーマとして研究を遂行した結果、下に示す2項目の成果が得られた。
1.これまでに我々が報告してきた、Cp'-P配位子を有するロジウムI価カルボニル錯体に対するハロゲン化アルキルの酸化的付加を利用した金属上に不斉点を有するロジウムIII価アシル錯体の合成法を拡張すべく、ハロゲン化アルキルの代わりにハロゲン化アリル誘導体を用いることを検討した。その結果、ハロゲン化アリル誘導体として臭化アリルを用いた場合、予想されたアリロイル錯体ではなくexo型のカチオン性π-アリル錯体が選択的に得られることがわかった。中間体であるアリルカルボニル錯体からアリル基の転移反応がおきる前に、カルボニル基の脱離反応が進行したものと考えられる。ハロゲン化アリル誘導体として臭化クロチル、臭化シンナミルを用いた場合にも同様のexo型π-アリル錯体が得られた。この錯体は、π-アリル配位子の置換基(メチル基およびフェニル基)が結合している炭素の違いによる、すなわち中心金属上の不斉点が異なる2種類のジアステレオマー混合物であった。
2.上記の手法により合成したπ-アリル錯体のアリル位アルキル化反応に対する触媒能力を検討した。その結果、リニア型のアリル化合物を選択的に与える触媒となることがわかったが、その活性、および位置選択性に関しては改善すべき余地が残されている。
来年度は、平成15および16年度に合成した錯体の炭素-水素結合の切断能力に関し検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Rhodium and Iridium Complexes Bearing an Alkyloxazoline-substituted Indenyl Ligand (Indox Ligand) and their Sereoselective Construction of Metal-centered Chirality2004

    • 著者名/発表者名
      Yasutaka Kataoka
    • 雑誌名

      Inorg.Chim.Acta, Topical Volume on Rhodium and Iridium Chemistry 357

      ページ: 2965-2979

  • [雑誌論文] Construction of Metal-centered Chirality : Diastereoselective Addition of the Meerwein Reagent (Me_3OBF_4) to Rhodium Carbonyl Complexes Having the Cp'-P Ligand2004

    • 著者名/発表者名
      Yasutaka Kataoka
    • 雑誌名

      Organometallics 3

      ページ: 2095-2099

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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