今年度、N-保護ピペリジンの電極酸化により得られるα-メトキシ体(1)およびそのβ,γ-不飽和体(2)から発生するイミニウムイオンへの、以下に示す高エナンヂオ選択的な触媒不斉アルキル化に成功した。 1.4-メトキシベンゾイル基で窒素原子を保護した2を、室温で触媒量の銅(II)トリフラートおよびキラルビスオキサゾリン配位子存在下にマロン酸ジフェニル類と反応させると、α位に高いエナンチオ選択性(最高95%ee)で炭素間結合形成できることを見出した。 この結果は、昨年度見いだしたマロン酸ジメチルとの反応の結果を大きく凌駕したものである。 2.1.の反応の求核剤の構成を精査し、フェニル基の効果を検証した。
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