• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

生合成を範とする酸化触媒反応の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 15550097
研究機関岡山理科大学

研究代表者

村橋 俊一  岡山理科大学, 客員教授(常勤) (60029436)

研究分担者 折田 明浩  岡山理科大学, 工学部, 助教授 (30262033)
キーワードbiomimetic酸化触媒反応 / ルテニウム触媒 / フラビン触媒 / フタロシアニン鉄錯体触媒 / 炭化水素の酸素酸化反応 / 塩を生成しない有機合成プロセス / 酸・塩基両性遷移金属錯体触媒 / イリジウムヒドリド錯体触媒
研究概要

我々はp-450酵素やフラビン酵素の機能を遷移金属触媒でシミュレーションしてbiomimeticな酸化触媒反応を開発している。今回環境に調和したアミンの酸化的変換反応として、酸素分子による酸化と直接的な炭素-炭素結合形成反応を同時に行わせる事を目的として研究し、ルテニウム触媒(RuCl_3・H_2O)存在下第3アミンとNaCNをメタノール/酢酸溶媒中60度で2時間反応させ、α-シアノアミンを一段階で効率よく合成することに成功した。この反応の機構は全く新しい形式のものであり、今後のさらなる展開が期待されている。
フラビン酵素のシミュレーションの研究から新しいフラビン触媒を用いる酸素酸化反応を見いだした。フラビン触媒FlEt^+ClO_4^-(1mol%)とヒドラジン・ヒドラーとの存在下トリフルオロエタノール中で基質を1気圧の酸素で酸化することに成功した。例えば、第2アミンからニトロンをい1段階で効率よく合成できるが、生成物の他には水と窒素ガスが生じるだけで全くクリーンな反応であり、その触媒回転数は19、000に達する。
更に最も困難な酸化反応である活性化されていない炭化水素の酸素酸化反応を、塩素化したフタロシアニン鉄錯体触媒を用いてアセとアルデヒドの存在下に1気圧の酸素下、室温で行うことに成功した。この触媒系はオレフィンのエポキシ化反応にも用いる事ができる。
この他、環境問題の中心的な課題である塩を生成しない有機合成プロセスの開拓を行った。イリジウムヒドリド錯体が酸・塩基両性遷移金属錯体触媒として働き、塩を生成せずに従来の酸や塩基を用いて行っていた反応を中性条件下連続的に行える事を見いだした。種々のニトリルとアクリロニトリルと水から重要な医薬品合成中間体のグルタルイミドを一段階で効率よく合成することが出来た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S.-I.Murahashi, N.Komiya, H.Terai, T.Nakae: "Aerobic Ruthenium-Catalyzed Oxidative Cyanation of Tertiary Amines with Sodium Cyanate"J.Amer.Chem.Soc.. 125. 15312-15313 (2003)

  • [文献書誌] H.Takaya, K.Yoshida, K.Isozaki, H.Terai, S.-I.Murahashi: "Transition-Metal-Based Lewis Acid and Base Ambiphilic Catalysts of Iridium Hydride Complexes^* Multicomponent Synthesis of Glutarimides"Angew.Chem.Inter.Ed.. 42. 3302-3304 (2003)

  • [文献書誌] Y.Imada, H.Iida, S.Ono, S.-I.Murahashi: "Flavin catalyzed Oxidation of Sulfoxides and Amines with Molecular Oxygen"J.Amer.Chem.Soc.. 125. 2868-2869 (2003)

  • [文献書誌] S.-I.Murahashi, Z.Xiang-Ge, N.Komiya: "Clorinated Phthalocyanine Iron (II) Complex Catalyzed Oxidation of Alkanes and Alkenes with Molecular Oxygen in the presence of Acetaldehyde"Syn.Lett.. 321-323 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi