研究課題
基盤研究(C)
両末端に疎水性の長鎖アルキル基(ドデシル基、C12)を有し、中央部が水溶性ポリペプチドとして知られるポリ[N^5-(2-ヒドロキシエチル)L-グルタミン](PHEG)であるような、両親媒性のABA型トリブロック共重合体C12-PHEG-C12の会合・ゲル化挙動について、PHEG鎖のヘリックス-コイル転移との関係に着目して検討した。1.希薄溶液の場合、溶媒が水の時にはPHEG鎖はランダムコイル状態であり、C12の会合により孤立したサイズの小さな会合体を形成した。アルコール性溶媒を加えていくと、会合体の大きさが急激に増加したことから、PHEG鎖のヘリックス含率が増したためブリッジ状のコンホメーションが増し、結果、ミクロゲル状の巨大な会合体が形成されたものと考察した。2.中央PHEG鎖のヘリックス-コイル転移に基づく会合体構造変化モデルにより、溶媒を添加する順序に依存した会合体サイズの変化や、濃厚溶液のゲル化・ゾル化等の実験結果を説明することができた。3.PHEG鎖の片末端にのみ疎水性アルキル基を有するCn-PHEG(nはアルキル基の炭素数)では、水/アルコール混合溶媒を用いた希薄溶液の場合、炭素数の増加に伴う会合力の増大と、PHEG鎖のヘリックス-コイル転移によると考えられる会合体の構造変化が示唆された。また濃厚溶液では、C12とPHEG鎖の溶解性が溶媒組成により変化するため、複雑な相挙動を示した。4.ポリエチレングリコールとPHEGとのジブロック共重合体を用い、PHEG鎖にとって貧であるような溶媒中での会合挙動を調べたところ、PHEG鎖がヘリックス構造の時は中空の棒状会合体、ランダムコイル状態の時はコア-コロナ型棒状会合体の形成が示唆された。
すべて 2005 2003
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