研究課題/領域番号 |
15550111
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
安部 明廣 東京工芸大学, 工学研究科, 教授 (50114848)
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研究分担者 |
比江島 俊浩 東京工芸大学, 工学部, 助教授 (30288112)
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キーワード | ポリL-アスパルテート / 分子内水素結合 / ヘリックス-ヘリックス転移 / 共重合構造 / 分子内転移の相図 / 長い側鎖 / 主鎖型液晶 / van der Waals解析 |
研究概要 |
(1)平成15年度に引き続き、各種NMR法、ならびに他の分光法の利用して、側鎖構造を異にする2つのポリアスパルテートについて等方相、液晶相における分子内転移挙動の違いを検討し、希薄溶液における分子内転移に関する詳細な相図を完成した。溶媒と側鎖の間に微妙な相互依存関係があることを明らかにして、これまで関連付けが難しかったいくつかの現象が統一的に理解できることを示した。(投稿論文印刷中)。 (2)ポリアスパルテートに特有のらせんセンス反転現象について、これが明らかな擬似一次転移であることを踏まえて、転移の機構についてさらに詳しい知見を得るために、長い側鎖を有するポリアスパルテートを合成し、無溶媒状態で分子内転移が可能かどうかを検討した。溶液中よりも高い温度でらせん反転は起こるが、転移後は、いずれの場合にもα-ヘリックスではなく、π-ヘリックス構造であった。原因はまだよく分っていない。共重合構造にして、転移温度の低下を図っている。 (3)分子内水素結合の利用を目指して、液晶相を発現する主鎖型化合物の圧力・体積・温度(PVT)解析を行なった。相転移エントロピーに対する鎖状分子の形態変化の寄与を明らかにして、液晶状態の特徴を論じた。(投稿論文受理済)。さらに液晶相におけるvan der Waals解析を行い、分子間相互作用エネルギーについて重要な知見を得た。(投稿論文印刷中)。 (4)低分子モデル化合物の合成と解析に着手したが、アスパルテートについては、固相合成装置によって単分散試料を得ることが難しく、途中の段階で反応が完結しないことが分った。現在も試行が続いている。
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