研究概要 |
1.コロイド粒子間の多体流体力学的相互作用を,流体を構成する分子をある程度ひとまとめにした仮想粒子である散逸粒子とコロイド粒子の相互作用により再現できる散逸粒子動力学法の妥当性を今年度も引き続き検討した.静止流体中に置かれた二つの磁性粒子が粒子間の磁気力により結合する現象に着目し、その解析を可能にするシミュレーション・プログラムの構築を行った。このプログラムを用いて、散逸粒子のモデル化に際して生じた種々のパラメータの値の影響を検討した。さらに、散逸粒子と磁性粒子との相互作用をレナード・ジョーンズ12-2,8-4,4-2,2-1でモデル化し、結果が相互作用のモデルに依存するかを詳細に検討した。その結果、散逸粒子と磁性粒子の相互作用のモデルには大きく依存しないことがわかった。さらに、散逸力の大きさを表すパラメータの影響や散逸粒子の質量および大きさの影響など、詳細に解明することができた。 2.棒状粒子の多体相互作用を考慮するために、平均場近似を適用した理論解析を行い、単純せん断流中での強磁性棒状粒子の挙動を詳細に解明した。粒子の方向に関する配向分布関数を導入し、その基礎方程式を導出した。その際、物理的に妥当なクラスタ構造を仮定して、平均場近似を導入し、粒子間の相互作用を考慮した基礎方程式を導出した。その基礎方程式は、ガラーキン法と反復法による近似解法により解いた。単純せん断流に対して代表的な3方向の磁場を印加した場合の配向分布の特性とレオロジー特性を詳細に解明した。
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