研究概要 |
本年度はCATセンサー作製のためにCATに対するナノケミカルレセプターとしてのMIP(CAT-MIP)の調製法をについて検討を行った。CAT-MIPの最適な配合成分比について、検討した。CAT:MAA:EDMA=1:7.5:20の時、CAT-MIPとNon-MIPの結合量の差が最大になった事よりCAT-MIPは、この比がが最適な配合成分比と考えた。 またNMR測定においても、MAA/CATが1から7まで増加するにつれ、CATのアミノ基とMAAのカルボキシル基の化学シフトがともに、徐々に変化し、MAA/CATが7以上ではほとんど変化しなかった。この事はポリマーの最適配合比の結果と一致したため、CAT1分子の周囲には7のMAAが配置していることが確認された。また、CATに対して架橋性モノマーであるEDMAの比を変化させても、化学シフトに変化は見られず、CATがMAAとのみ水素結合を形成していることが確認された。 CATの吸着等温線をCAT-MIPとNon-MIPで測定したところ、CAT-MIPはNon-MIPよりも多くのCATを結合させる能力を有している事がわかった。 また、MIPs調製時にテンプレートとして使われたCAT量から、MIPs中に存在する結合部位の数を見積もり、今回得られた最大結合量と比較すると、鋳型部位に30〜50%程度が結合すると考えられる。CAT-MIPの選択性評価は、CAT, Atrazine, Propazineの3種類の除草剤に対し、CAT-MIPからNon-MIPの結合量の差を比較して行ったところ、結合量は、CATが4.8%、Atrazineが1.8%、Non-MIPより多く、PropazineではNon-MIPと同等だった。従ってCAT-MIPはCATを対して特異的な結合させるが、Atrazine, Propazineは非特異的に吸着していると考えられる。
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