• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

ポルフィリンのスタッキングと水素結合を利用した機能性超分子の構築と物性

研究課題

研究課題/領域番号 15550132
研究機関甲南大学

研究代表者

村嶋 貴之  甲南大学, 理工学部, 講師 (20263923)

キーワード水溶性ポルフィリン / ペンゾポルフィリン / 四重鎖核酸 / π-πスタッキング / 立体障害 / テロメア
研究概要

核酸と相互作用することによって核酸の機能を制御する機能性物質の開発を目的として、水溶性ポルフィリンの合成を行なった。分子設計に際して、核酸塩基との相互作用(π-πスタッキング)を阻害すると考えられる立体障害を取り除くため、メソ位に置換基を持たないタイプの化合物を目的化合物として選択した。まず、対称性の高いメソ無置換の水溶性ポルフィリンとして最も単純な構造を持つと予想される、オクタヒドロキシルポルフィリンAをオクタアルコキシポルフィリンから合成した。Aは比較的高い水溶性を示したが、複数の電子供与性基の置換により酸化に対して極めて不安定であり、核酸との相互作用の測定中に水に不要な化合物となり沈殿してしまうため、物性測定は不可能であった。そこで、水酸基のかわりにカルボキシル基を置換した化合物の合成について検討した。ただし、カルボキシル基は電子吸引性であり、ポルフィリンのスタッキング能を減少させてしまうため、それをカバーするためにポルフィリンのβ位にベンゼン環の縮環したベンゾポルフィリンタイプの化合物にカルボキシル基を置換した化合物を目的化合物Bとした。前駆体ポルフィリンとしてビシクロオクタジエン環が縮環した化合物Cが得られるため、B, Cの両方の水溶性ポルフィリンについて、核酸の高次構造のうち、発ガンやその他の疾病の発症をつかさどっている遺伝子のテロメア部分に多く存在するG-カルテット(四重鎖核酸)との相互作用について調べた。立体構造から予想される通り、化合物Bでは立体障害が大きく、またスタッキングに関わるπ電子数が少ないために核酸との相互作用は見られなかったが、化合物Cについては数種類の四重鎖核酸構造のうち最も立体障害の少ないパラレル型四重鎖を形成する配列(d(TG_4T))から生じた四重鎖核酸に対してのみ、選択的な相互作用が見られることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Synthesis of Water-soluble Porphyrin and the Corresponding Highly Planar Benzoporphyrin without meso-substituents.2005

    • 著者名/発表者名
      村嶋貴之, 他
    • 雑誌名

      Tetrahedron Lett. 46

      ページ: 113-116

  • [雑誌論文] Synthesis of Tripeptides Containing a Very Crowded α,α Disubstituted Glycine with Pyridine Rines by Solid-Phase Ugi Reaction.2004

    • 著者名/発表者名
      破入正行, 村嶋貴之, 山田隆己, 他
    • 雑誌名

      Tetrahedron Lett. 45

      ページ: 8871-8874

  • [雑誌論文] A Novel Intramolecular Hydrogen Bonding between a Side-chain Pyridine Ring and an Amide Hydrogen of the Peptide Backbone in Tripeptides Containing the New Amino Acid, α,α-Di(2-pyridyl)glycine.2004

    • 著者名/発表者名
      山田隆己, 村嶋貴之, 他
    • 雑誌名

      Org.Biomol.Chem. 2

      ページ: 2335-2339

  • [雑誌論文] Studies on Intramolecular Hydrogen Bonding between the Pyridine Nitrogen and the Amide Hydrogen of the Peptide : Synthesis and Conformational Analysis of Tripeptides Containing Novel Amino Acids with a Pyridine Ring.

    • 著者名/発表者名
      破入正行, 村嶋貴之, 山田隆己, 他
    • 雑誌名

      J.Pept.Sci., (In press)

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi