研究課題/領域番号 |
15550141
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
山本 秀樹 関西大学, 工学部, 教授 (30174808)
|
研究分担者 |
芝田 隼次 関西大学, 工学部, 教授 (70067742)
村山 憲弘 関西大学, 工学部, 助手 (90340653)
|
キーワード | 高分子ゲル / ポリビニルアルコール / 吸着除去 / 機能性高分子 / トルエン / クロロフェノール / 吸着試験 / 連続除去 |
研究概要 |
提案した技術は、地下水や排水中に含まれる微量塩素系有害有機物を、新しく開発した感熱性高分子ゲルを用いて連続的に吸着除去する新技術である。実験結果から、ポリビニルアルコールを主成分とする高分子ゲルは、温度の刺激でゲル表面の親水性・疎水性バランスが変化する感熱型のゲルであることを明らかにしている。その結果、このゲルは水中の微量有害有機物を高温(35〜40℃)で吸着し、常温(20〜30℃)で脱着することができる新しい吸着剤である。主成分のポリビニルアルコールは人体や環境に無害であり、有機物の吸脱着を温度差約10℃程度で行うことができ、省エネルギーな除去プロセスを開発できた。一般に、このような高分子は環境感応型ゲルまたは刺激応答ゲルと呼ばれ、紙おむつなどの衛生用品や医療廃液固化剤など様々な分野に応用されているが、地下水や排水中からの有害有機物の除去に応用された例は見あたらない。 本研究では、親水性ゲルであるポリビニルアルコールゲル(PVAゲル)の有機物に対する感熱吸着特性について検討し、有機物の除去プロセスを開発することにある。具体的には、PVAゲルに対するトルエン、p-クロロフェノールなどの塩素系有害有機物の吸着量、吸着速度を測定し、ゲルの相転移点(親水性から疎水性に変わる温度)および温度スイングによるゲル表面の吸脱着特性を明らかにする。最終的には、感熱型高分子ゲル(PVAゲル)を充填したモジュールを用いた塩素系有害有機物の連続式除去装置の開発のために基礎データを得ることができた。
|