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2004 年度 実績報告書

二次電池用リチウム貯蔵性金属間化合物の創製と中性子をプローブとしたリチウムの評価

研究課題

研究課題/領域番号 15550161
研究機関鳥取大学

研究代表者

坂口 裕樹  国立大学法人鳥取大学, 工学部, 助教授 (00202086)

キーワードLaSn_3 / リチウム貯蔵性金属間化合物 / 負極材料 / リチウム二次電池
研究概要

我々は、LaSn_3が実用化されている炭素材料の2倍以上の体積当り初期放電容量を示すことも見出してきた。しかしながら、合金電極特有の問題点である第1サイクルの容量可逆性とサイクル安定性の乏しさがこの合金においても存在する。そこで本研究では、電極特性の改善を図る試みとして、メカニカルアロイングを用いてこの合金にあらかじめ機械的にリチウムを添加してみた。また、この電極のサイクル寿命評価におけるコイン型セルの有用性についても調べた。
Li_3LaSn_3電極の充放電サイクル数に伴う放電容量の変化から、コイン型セルとビーカー型セルではほぼ同等の初期放電容量を示すことがわかった。また、ビーカー型セルを用いた場合はサイクル初期の時点で急激に容量が低下したが、コイン型セルでは容量減少は認められなかった。これは電極からの試料の滑落を防ぐことができたためと考えられる。Li_xLaSn_3(x=2,3,4)電極のクーロン効率はリチウム添加量が増えるにしたがい増加した。特に、x=2の電極においてほぼ100%のクーロン効率を達成できたことは注目に値する。また、各電極の充放電サイクル数に伴う放電容量の変化から、いずれの電極においてもサイクル性の改善が認められた。特に初期可逆性100%を示したx=2の電極においては、25サイクル目の放電容量が1サイクル目の放電容量の約95%に相当する容量を保持していることがわかった。X線回折とサイクリックボルタンメトリーの結果より、第1サイクルおけるクーロン効率が改善された理由は、MAを用いたリチウム添加により活物質相であるLaSn_3の結晶子サイズが減少したためと考えた。これによりLaSn_3粒子内におけるリチウム拡散距離が短くなり、粒子深部に到達したリチウムも容易に放出されるようになったものと思われる。他方、サイクル安定性の向上は、微粒子化した活物質の体積変化の絶対的な小ささに加えて、Li-La-Sn化合物がマトリックスとなり活物質の体積変化に伴う応力を緩和したためと考えることができる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 次世代二次電池負極用リチウム貯蔵性金属間化合物の創製2004

    • 著者名/発表者名
      坂口裕樹
    • 雑誌名

      信学技報(電子情報通信学会技術研究報告) 103・595

      ページ: 37-42

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Structural Analysis of Pure and Electrochemically Lithiated SiO Using Neutron Elastic Scattering2004

    • 著者名/発表者名
      Y.Nagao
    • 雑誌名

      J.Electrochem.Soc. 151・10

      ページ: A1572-A1575

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Hydrogen Storage in Proton-Conductive Perovskite-Type Oxides and their Application to Nickel-Hydrogen Batteries2004

    • 著者名/発表者名
      T.Esaka
    • 雑誌名

      Solid State Ionics 166

      ページ: 351-357

  • [雑誌論文] Improved Performance of Solid-State Metal Hydride Batteries Using Heteropolyacid Hydrate as an Electrolyte2004

    • 著者名/発表者名
      K.Hatakeyama
    • 雑誌名

      Electrochemistry 72・10

      ページ: 697-699

  • [産業財産権] リチウム二次電池用電極及びその製造方法2004

    • 発明者名
      江坂 享男, 坂口 裕樹, その他5名
    • 権利者名
      鳥取大学, 関西電力
    • 産業財産権番号
      特願2004-347521号
    • 出願年月日
      2004-11-30

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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