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2004 年度 研究成果報告書概要

極性ネマチック高分子液晶を示すチェインド・クロモフォアのSHG増幅に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15550180
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 高分子・繊維材料
研究機関東京工業大学

研究代表者

川内 進  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80204676)

研究分担者 渡辺 順次  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90111666)
戸木田 雅利  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30301170)
研究期間 (年度) 2003 – 2004
キーワードSHG / 量子化学計算 / 高分子液晶 / 全芳香族ポリアミド / N-メチル全芳香族ポリアミド / 分子不斉 / 誘起不斉
研究概要

ヘッド-テイル構造を有する全芳香族ポリアミド、poly(4-aminobenzoic acid)のSHG活性を予測するため、(H_2N-(C_6H_4CONH)_n-C_6H_4COOH)(AAオリゴアミド)と(H-(C_6H_4CONH)_n-C_6H_5)(BAオリゴアミド)の超分極率(β)を密度汎関数法(DFT)B3LYP/6-31G*により計算した。AAおよびBAオリゴアミドのβ値はアミド結合の数(n)の増加に伴って大きくなることがわかった。AAオリゴアミドは常にBAオリゴアミドより大きなβ値を有することから、オリゴマーのレベルではβ値への末端基効果が大きいことがわかる。2準位モデルによる解析から、全芳香族ポリアミドの大きなβ値の主な原因は基底状態から励起状態への大きな遷移モーメントであることが明らかとなった。また、AAおよびBAオリゴアミドの励起エネルギーはアミド結合数が増加してもほぼ一定値をとり、重合に伴うレッドシフトは小さいと考えられる。以上の結果は、poly(4-aminobenzoic acid)がSHG効率-透明性の間のトレードオフ問題を解決する新たなSHG色素の候補となることを示唆している。
全芳香族ポリアミドはリオトロピック液晶であるが水素結合を有するため、サーモトロピック液晶は示さない。そこで、アミドのN-メチル化の効果についてDFT計算を行った。Benzanilide(BA)はトランス体がシス体より4.60kcal/mol安定であるが、N-メチル化したN-methylbenzanilide(MBA)はシス体の方が3.23kcal/mol安定となる。さらに、一つのベンゼン環のパラ位に2つのN-メチルアミドが結合した芳香族ジアミドの計算を行った。この場合、分子は直線性を失い多様なコンフォーメーションをとるようになり、これがN-メチル化に伴い液晶性を示さなくなる原因と考えられる。さらに残念なことにN-メチル化によりβ値は低下した。しかし、オルト、メタ、パラで結合したN-メチル化ジアミド化合物の安定構造は、多くの場合、分子不斉を有することが明らかとなった。このことから、N-メチル化ジアミド化合物にキラルドーパントを添加して不斉を誘起させる実験を行ったところ、確かに不斉が誘起されていることが明らかとなった。芳香族N-メチル化アミド結合の導入は、分子不斉を分子に組み込む有望な手法であると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Internal rotations of aromatic polyamides : a density functional theory study2005

    • 著者名/発表者名
      J.Nishikawa, T.Imase, M.Koike, K.Fukuda, M.Tokita, J.Watanabe, S.Kawauchi
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Structure 741

      ページ: 221-228

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-11  

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