研究分担者 |
大高 一雄 千葉大学, 先進科学教育センター, 教授 (40010946)
横山 新 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (80144880)
伊藤 清一 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (70335719)
鷲尾 方一 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (70158608)
吉田 陽一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50210729)
|
研究概要 |
広島大学ナノデバイスシステム研究センターにおいて,シリコンを材料として2次元フォトニックバンド結晶を製作した.六方格子状に孔を穿ったタイプで,格子定数500nm,孔径320nm,穴の深さ2μm,大きさは3mmx3mmである. この結晶の表面にほとんど接するように,表面に平行に電子ビームを走らせ,放出する放射光(いわゆるスミス・パーセル放射光)の観測を試みた.ビーム源は早稲田大学理工学総合研究所のフォトカソードRF電子銃で,エネルギー3.9MeV,バンチあたりの電荷は1.4nC,バンチ長は10psであった.バンチ断面は扁平で5mmx1mmであった. ほぼ結晶表面に垂直方向に放出する光の強度を,偏光方向,波長および放出角の関数として測定した.そのために光を凸レンズで平行光線として角度を水平方向の位置に変換し,特定の位置における光を分光し,光電子増倍管で検出した.加速器室内で分光器の位置と波長を掃引し,データを取り込むために,ラボビューのソフトウェア・ハードウェアと信号伝送系を整備した.電子ビーム強度も測定し,光強度との相関をソフトウェアで排除した. 実験結果からブリリアン図上の光強度分布を求めた.このブリリアン図にフォトニック結晶のバンド図と電子ビームの分散図を重ねて描くと,バンド図とビーム図の交点で光強度が大きくなることが期待される.現在はデータ処理を行っている段階である.
|