研究概要 |
(1)アンドープZnMgTe基板結晶の作製:ブリッジマン法により良好な結晶が得られた。 (2)低抵抗率p形ZnMgTe基板結晶の作製:(1)の手法により、Pドープの単結晶板を作製できた。 (3)ZnMgTe基板結晶の物性評価:フォトルミネッセンス(PL)法とパウ法により物性評価した。その結果、深い準位による発光が抑制され、浅いアクセプタによる発光が顕著に認められるとともに、これと符合して室温で5×10^<17>cm^<-3>と高いキャリア密度を有するp形ZnMgTeが得られた。 (4)エピタキシャル成長による低抵抗率p形ZnMgTeエピタキシャル膜の形成:本年度は良好なZnMgTe膜を得るための成長条件を探った。このため、有機金属化学気相成長法を用いて基板温度、原料供給量比、Mg量をパラメータとしてZnMgTeのエピタキシャル膜を成長させた。 (5)ZnMgTe基板結晶上のpn接合ZnTeエピタキシャル膜の形成:別の有機金属化学気相成長装置を用いて、P、I、Cl、およびBドープZnTeのエピタキシャル膜を成長させ、PL法、パウ法、X線ロッキングカーブ測定法などで物性評価した。Pドーピングに関しては新しいドーパント原料を提案でき、I,Cl,Bのドービングに関してはドービングメカニズムを議論できた。 (6)ZnMgTeエピタキシャル膜の物性評価:(4)の成長実験で得られZnMgTe膜のMg組成と低温PLスペクトルを明らかにした。 (7)発光デパイスの作製:ZnTe基板上のpn接合ZnTeの発光デバイスを試作し、SEMカソードルミネッセンス像の微視的観察などを行った。これはZnMgTe基板上のpn接合ZnTeの発光デバイスと比較し、光閉じ込め効果を明らかにする上で重要である。 (8)発光デバイスの特性評価:(7)で試作したダイオードの電気的特性,発光特性を明らかにした。
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