実験と解析において以下のような成果を得ることができ一部は論文として発表できた。 1.実験では (1)Si(011)の均一な薄膜試料の作成をイオンミーングで行い、試料作成技術を確立した。 (2)イオンミーリング中に付着するamorphous層め影響と少なくするミーリング条件の検討を行った。 (3)高分解能BF-STEM像を撮影するための、semiangle、defocus、取り込み角等のparameter依存性を調べ、最適化された条件のもと原子間隔の小さいSi(011)を使ってHAADF STEMと同等の空間分解能を得ることを明らかにすることができた。 2.並列計算機の作成と動力学解析方法の構築 (1)市販の高速CPUを2台使って並列処理によって高速に計算ができる計算機を設計しその作成を行った。また、IDLソフトを使って我々が開発する画像処理も簡単にかつ柔軟に処理ができるようにした。 (2)我々の開発した3次元Bloch波による動力学計算が並列処理できるようにプログラムをベクトル化し計算時間の大幅な短縮化を図った。 3.主な研究成果 (1)amorphous層のSTEM像への影響の仕方を明らかにし論文にまとめることができた。 (2)Si(011)の高分解能BF STEM像を最適条件で撮影し、形成機構を明らかにした(投稿中)。 (3)対称性を取り入れたSTEM像の新しい計算手法を提案できた(投稿中)。
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