○本年度では、光パラメトリック効果を用いたチャープパルス増幅における非線形光学効果に対して、非線形波動方程式で数値的評価を行うことが主な研究目的である。その結果、周波数チャープ、Walk-off効果、斜入射方向及びレーザービーム発散等の要素を含んだ3次元の数値計算コードを開発し、これまで最も実験条件に近い数値計算コードの開発に成功した。この数値計算コードを用いることによって、光パラメトリックチャープパルス増幅における周波数分布、時間分布及び空間分布を定量に示すことが可能となった。 ○光パラメトリックチャープパルス増幅を用いた再生増幅器の光学設計も行った。2枚のBBO非線形光学結晶を再生増幅器として使用し、106の利得を持つ再生増幅器の最適化設計を実施した。現在、日本原子力研究所関西研究所との共同研究でその実験も進められている。 ○光パラメトリックチャープパルス増幅のメカニズムとして、初めて増幅領域、飽和領域、安定領域という概念を提唱し、増幅器の設計や制作をより簡単に実現することに期待できる。
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