1.近年の集積回路の高密度化により、表面構造監視技術のさらなる進展が求められている。AFMやSEMのような従来技術は非破壊検査でなく時間もかかる。そこで、スキャッタロメトリと呼ばれる新しい光監視技術が求められおり、これが本研究の主題である。本研究では、分光エリプソメトリを基礎としたスキャッタロメトリを周期的ナノ構造に応用した。理論面では、回折格子の結合波理論を導入した。 2.溶融石英基板の表面に、電子ビームリソグラフィで作製した周期約250nm、深さ約500nm、種種の溝幅の周期的矩形溝、シリコン表面に作製した周期約130nmの同様の周期的矩形溝を計測解析し、SEMから得られた数値に近い値が得られた。溶融石英基板背面からの反射光を、グリセリンの水溶液を用いて溶融石英スリガラスに散乱させて計測したパラメータ値は、基板背面の反射光を許容し、0.5mmの基板内での非可干渉性理論を採択して計算した場合の計測パラメータ値と良い一致を示した。 3.溶融石英基板にTaを堆積してリソグラフィ法により作製した周期的矩形ワイアーについては、各ワイアー壁面に円筒状の膨らみを設けると、実験値がよく説明でき、SEM写真とのよい対応を示した。 4.シリコン表面に、リソグラフィー法で、格子間隔180nmの正方格子点に直径94nm、深さ約100nmの穴を開けた試料については、格子間隔を固定して、直径と深さをもとめたところ、SEM断面写真と良い一致を示した。
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