研究課題/領域番号 |
15560037
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
南 内嗣 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70113032)
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研究分担者 |
宮田 俊弘 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (30257448)
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キーワード | Y2O3:Mn / 薄膜EL / 酸化物 / 蛍光体 / (Y_2O_3-Ga_2O_3):Mn / (Y_2O_3-GeO_2):Mn / ゾル・ゲル |
研究概要 |
本研究は、最近、申請者らが発見した結晶構造が単斜晶である酸化イットリウム(Y_2O_3)をベースとする母体材料からなる極めて優れた薄膜EL素子用Y_2O_3系蛍光体を発光層に採用することによって、高価な封止処理なしでも大気中で安定に動作する高輝度で高発光効率のフルカラー発光薄膜EL素子を実現することを目的に本年度は以下の研究を実施した。 1)イットリウム原料として、イットリウムアセチルアセトナート(Y(C_5H_7O_2)_2)、発光中心として塩化マンガン(MnCl_2)を採用し、適量の発光中心とY(C_5H_7O_2)_2を溶剤に溶かした後、水(H_2O)と塩酸(HCl)を添加したゲル溶液を、ディップコート法を用いて、BaTiO_3セラミック上に単斜晶Y_2O_3薄膜が優先的に成長させられるための成膜技術を確立できた。また、ゾル・ゲル法に加えて、マグネトロンスパッタ法による成膜技術についても確立できた。 2)形成した単斜晶Y_2O_3蛍光体薄膜の結晶性の改善による発光効率の向上を目的として、800〜1100℃での熱処理を行い、作製された膜の結晶学的特性およびフォトルミネッセンス(PL)評価等を行い成膜条件との関係を調べた。その結果、硫黄/アルゴン雰囲気中もしくは減圧酸化雰囲気中で熱処理を施すことにより、高輝度黄色発光を実現できた。 3)発光中心としてマンガン(Mn)を添加したY_2O_3:Mn蛍光体について、高輝度発光及び高発光効率が実現できる最適素子作製条件について検討した結果、熱処理温度約1000℃において高輝度発光を実現できることを明らかにできた。また、Mnを添加した(Y_2O_3-Ga_2O_3)や(Y_2O_3-GeO_2)等の各種Y_2O_3ベース多元酸化物蛍光体薄膜について、高輝度発光を実現できる母体組成を明らかにした。 4)作製したY_2O_3:Mn素子に封止処理を全く行わずに、室温の大気中および加湿雰囲気中で正弦波交流電圧で素子を駆動して、発光輝度及び発光効率等の経時変化について検討した。その結果、上記のEL素子は特別な封し処理なしでも長時間安定した発光を実現できることを明らかにした。 以上のことから、本年度の研究計画は十分に達成できたといえる。
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