1.波長325nmの紫外光He-Cdレーザを導入し、3光束および4光束干渉露光系を構築した。石英プリズムを用いた波面分割方式を採用し、遮蔽板を抜き差しするだけで、3光束、4光束の切り換えができる。 2.上記干渉計を用いて、ネガ型フォトレジストSU-8に対する露光条件を把握した。膜厚5および10μmで数秒という短時間露光で記録ができるので、系の振動の問題は全くない。 3.X線マスク材料である金を電気めっきにより形成する時の電極となるニッケル薄膜を、X線レジスト材料である200ミμm厚のPMMAシート上に、無電解めっきで成膜するプロセス条件を把握した。塩化スズ(ピンクシューマ)液での活性化処理、及び処理間の水洗等にノウハウがあることがわかった。 4.PMMAにニッケルを成膜後、SU-8フォトレジストを塗布し、3光束露光で干渉縞を記録した。今回は赤外光対応のフォトニック結晶から始めることとし、ピッチ約6μm、深さ約3.4μmの三角格子配列のパターンを形成した。 5.上記パターンに、金の電気めっきを行い、約2.1μmの金をフォトレジストが除去された部分に析出させた。現在把握している条件では、まだ粒径が若干大きく、今後パターンを微細化するためには、さらに緻密な金をめっきできる条件を把握する必要がある。 6.上記金めっき後の試料に、本学SRセンターにおいて、X線を垂直方向から露光した。露光範囲は35×20mm、蓄積電流0.23Aで60分露光をした。現像後SEMで観察したところ、200μmのシート厚を貫通した三角配列穴の形成が確認できた。 7.X線斜入射用のサンプルステージを試作した。台の交換により、面心立方格子と体心立方格子の形成実験ができるようにした。 8.4光束干渉においては、5μm厚のSU-8に3次元構造が形成できたことを確認した。
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