研究概要 |
本研究は,「耳栓装着により騒音下での音声聴取状況が改善されるか」,改革されるのであればそれは「どのような環境状況の場合か」について,騒音スペクトル,騒音レベル,音声レベルの観点から,音声明瞭度試験を利用して,実験的に明らかにすることを目的とする. 本年度は,主に以下の2項目の研究を実施した. 1.騒音スペクトルのモデル化 騒音スペクトルのモデル化を行うために,種々の環境騒音の収録を実施した.収集した騒音は,航空旅客機機内騒音,建築作業騒音,工具騒音,草刈機音,スポーツ観戦中の観客音などである.これらの騒音の周波数スペクトルおよび時間包絡を分析し,聴取実験に用いるための擬似騒音のモデル化を進めている. 2.耳栓の遮音量の測定 耳栓の遮音量は,耳栓を装着しない場合の最小可聴値と耳栓を装着した場合の最小可聴値の差から求める.そこで,耳栓の遮音量を測定するための最小可聴値測定システムを構築した.最小可聴・値の測定法は,一般に耳栓の遮音量を求める際に利用されているベケシー法と,より信頼性高く測定できるブラケット法の両方を構築した.このシステムを用いて10数種類の耳栓の遮音特性の測定を進めている.
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