研究概要 |
理論的な点からは次の結果が得られている. A.1次元の小選挙区制でのDuvergerの法則についての関連研究を整理し,モデルを定式化し,得られたモデルに対してDuvergerの定理を証明した.近年の類似の研究がいくつかあり,その差異を整理することが残されている.この内容は,選挙学会で報告予定である. B.2次元の場合については,通常と異なる目的関数として,得票率首位を目的として候補者が行動した場合,争点が2つある場合についての,3主体でのNash均衡解の存在を証明し,応用数理学会年会で発表した.これは投稿準備中である. 実証的な研究,及びその予備的研究として下記の作業を行った. C.現実の選挙でのあてはまりを見るために,既存データを収集すると共に,データの存在しない戦前期の総選挙市町村別得票数については,データの計算機入力を行った.この結果は,単独でもデータベースとして価値あるものであり,筑波大学多目的統計データバンク報告書に掲載した.但し,この部分の価値は,研究と言うより,世に広く使われることに価値があるものであり,データの公表も予定している. D.関連する統計的検証として,オプション価格付けのSVモデルの検証を行った. E.同じく関連する実証研究として,データのモデルへの当てはまりの尺度を提案し,時系列データにおいてその有効性を検証した.これは,応用力学連合講演会にて口頭発表を行っており,投稿準備中である.
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