研究概要 |
平成17年度は以下の研究成果を得た. (1)従来の反復解法では精度保証を与えることが困難であった非線形方程式の近接した解に対して,因子として分離することで精度保証を与える方法について研究を行った.クラスタを因子として分離し係数の精度保証を与える方法と解析的領域を推定する方法を統合することで、パラメータ推定などを自動化するアルゴリズムのための手法を提案した. (2)上記の提案手法のソフトウエア開発を行い,精度保証付き計算が可能なライブラリであるINTLABを用いて実装した.数値実験によりその有効性を確認した. (3)海外研究協力者の一人であるPetkovic教授と非線形方程式に対する同時反復解法の導出の一般化手法について共同研究を行った. (4)固有値問題を非線形方程式の解法に帰着させる方法において,大規模問題に対して高い並列性が得られることを示した.この解法の持つmaster-worker型の処理の特長を利用し,グリッドRPCとMPIのハイブリッドアルゴリズムを実装した.このプログラムを分子軌道計算で現れる大規模固有値問題に適用し,分散したクラスタ環境において高い効率が得られることを確認した. (5)前年度に引き続き,実用ソフトウエアプラットフォームのためのシステムexGUIdeの開発を行った.数式やアルゴリズムの入力を容易にするためのパイメニュー方式の実装と,各種のモデル言語に対応する柔軟性を備えるための定義方法を実装した.このシステムを数式に含む数理ドキュメント検索に応用した.
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