研究課題/領域番号 |
15560052
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永田 雅人 京都大学, 工学研究科, 教授 (80303858)
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研究分担者 |
板野 智昭 京都大学, 工学研究科, 助手 (30335187)
河原 源太 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50214672)
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キーワード | 矩形ダクト内流れ / 円管ポアズイユ流 / 線形安定性 / 非線形安定性 / 層流乱流遷移 / 内部熱源 / チャンネル内流れ / 縦渦・横渦解 |
研究概要 |
本来はスパン方向側面が存在し、その側面上ですべりなしの速度境界条件が適用されるべき矩形ダクト内の流れを解析する第一歩として、まず、スパン方向に周期性を課したチャンネル内流れの場合の解析を行った。解析は簡単になるが、流れの層流乱流遷移過程における分岐の特性は大幅には異ならないことが期待される。流れを生じさせるために流体層に一様に分布させた熱源を考え、チャンネルを鉛直または鉛直から傾けたときの流れの線形安定性を調べた。その結果、チャンネルが鉛直に正確に置かれている場合は流れ方向に伝播する横渦列構造の擾乱が流れをもっとも不安定にするのに対し、チャンネルをわずか1〜2度鉛直から傾けるだけで縦渦列構造をもつ単調成長型の擾乱が流れを不安定にしてしまうことが判明した。したがって、これらの2種類の異なる空間構造をもつ擾乱の強い相互作用がほぼ鉛直に設置されたチャンネルの流れに存在する。実際に、この2種類の擾乱が交錯する領域で、それぞれの擾乱が有限の振幅に発達した3次元非線形解をもとめることに成功した。現時点で2種類の3次元非線形解の枝がそれぞれ他方の枝上で終焉しているかを解析中である。以上の解析結果は研究代表者と英国アストン大学のジェネラリス博士との共著の形でまとめられ、裏面に記載のとおり2編が学術雑誌に掲載されている。 また、長年未解決であった円管ポアズイユ流の非線形問題における3次元非軸対称解を最近みつけた英国ブリストル大学のKerswell博士を招聘し、矩形ダクト内に一様に熱源を分布した場合におこる層流乱流遷移解析の方法論について、上記の研究分担者2名と現在平成15年度科学研究費補助金を得ている外国人特別研究員とを加えて議論した。議論後ただちに線形安定性解析にとりかかり、作成した数値プログラムは円管ポアズイユ流の既存の結果と比較検証したあと内部発熱の問題に本格的に取り組み、さまざまな縦横比をもつ矩形断面を対象にデータを収集している。
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