研究課題
基盤研究(C)
初年度(前年度すなわち平成15年度)において、まずTi-Ni(実用)形状記憶合金の一般負荷条件下における基本的熱力学的特性を明らかにすることを目的に系統的な実験を実施した。すなわち、ここでは特別の手法(燃焼合成法)で成形されたTi-Ni薄肉円筒試験片に、ねじりと軸力の組み合わせ負荷を与えることにより種々の複合負荷条件下における形状記憶効果を精査した。この研究により形状記憶合金の更なる広い産業応用に可能性が示された。本研究では、特に形状記憶合金の多様な挙動をするアクチュエータ(力発生素子)の可能性を目的としている。さて、本年度(平成16年度、最終年度)は、前年度に得られた基礎的・系統的実験結果を踏まえ、形状記憶合金のアクチュエータ機能を生み出す2方向形状記憶特性を実験的に精査した。2方向特性を形状記憶合金に発生させるにはいわゆる"トレーニング"が必要である。種々のトレーニングによって、種々の2方向特性が生まれる。また、効率的なトレーニングによって、より優れた2方向形状特性が生まれる。ここでは、種々のトレーニング手法、より効率的なトレーニング手法を調べ一定の成果を得た。さらに、このトレーニングにより2方向特性が付与されたTi-Ni形状記憶合金により生じる2方向ひずみ(温度変化のみで発生する繰り返し変形)および回復応力(ひずみを拘束したとき、温度変化により発生する力成分)を実験的に調べた。これらの結果から、形状記憶合金は材料自体がセンサー・アクチュエーター機能を有しており、システムを組むことなくエンジン機能を発揮し、しかも1次元的な動きだけでなく、3次元的な挙動が可能である。結果として、極めて小さな(マイクロ)センサー・アクチュエータの設計・製造が可能であることが示された。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (14件)
平成16年度三重大学機械工学科修士論文
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日本機械学会第17回計算力学講演会講演論文集 No.04-40
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