研究課題/領域番号 |
15560087
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
京極 秀樹 近畿大学, 工学部, 教授 (10258056)
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研究分担者 |
小松 眞一郎 近畿大学, 工学部, 教授 (70140316)
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キーワード | 形状記憶合金 / Ti-Ni系合金 / 圧電セラミックス / メカニカルアロイング / パルス通電加圧焼結 / 形状記憶特性 / 熱・力学特性 / 繰返し変形特性 |
研究概要 |
本研究では、メカニカルアロイングによる高機能形状記憶合金粉末の作製法と粉末冶金法によるTi-Ni系形状記憶合金開発ならびにその素子の機構・制御法に関する知識をベースに、TiNi系合金ならびにPZT圧電セラミックスの材料設計を行い、新たな機能を発現するマイクロアクチュエータ・センサ用TiNi/PZTスマート材料を粉末冶金法により作製するための条件を検討することを目的としている。また、得られたスマート材料の印加電圧下における変形特性、発生応力などの材料特性を検討するとともに、機能素子として利用するための制御法についても系統的に調査することを目的としている。 平成15年度は、主としてパルス通電加圧焼結法により作製した形状記憶合金をアクチュエータとして使用する際に重要な合金の繰返し特性とその改善方法および素子の制御法について調査・検討を行った。 (1)TiNi系形状記憶合金においては、繰返し変形を施すことにより安定した変形特性を示し、特にCuを10%程度添加することにより一層安定した変形特性を示すことを明らかにした。また、繰返し変形により変態温度が低下し、溶製材に近い値を示すことがわかったが、変態温度幅は転位の導入によりわずかながら広がる傾向を示した。繰返し変形試験後の等温引張試験の結果、高温においては超弾性に近い挙動を示し、繰返し変形により変形特性が改善されることがわかったが、回復応力については、転位密度の上昇のため低下することがわかった。 (2)合金の素子化に重要な動作制御法について検討するために、形状記憶合金アクチュエータの試作を行い、通電加熱による制御法について検討した。その結果、発熱時間は主に電気抵抗率、表面積および体積に依存するが、放熱時間は主に表面製及び体積に依存することがわかった。また、温度に対する変位の応答性など基礎的な特性を調査できた。
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