研究概要 |
自動パッケージング機の設計プロセスにおいて、現在それぞれ単独で利用されているワーク挙動・機構・電気回路・油空圧回路・制御ソフトウエア等の分野のシミュレータを,機械の種類や目的に応じネットワークを介して柔軟に結合し,通信によりシミミュレータの挙動間を連携させながら,自動機の運転状態の高度な機能評価が可能なシミュレーションシステムを実現することが、本研究の目的である.Hl5年度の成果概要は,下記のとおりである. (1)シミュレータインターフェースモデル定義ツールの開発(戸村担当) 各分野のシミュレーションモデル内で,相互接続のため公開するインターフェース部に相当するモデルの構造と状態遷移挙動を,UMLクラス図とStatechartで定義し,これらを予めインターフェースモデルとして登録する定義ツールを,C++言語により開発した。 (2)シミュレータインターフェース用ラッパープログラムの体系的実装開発手法の提案(中村担当) 各シミュレータが別個に提供しているAPIを隠蔽し,UMLクラス図で標準的に定義されたインターフェースのみを通じて,シミュレータへの情報入出力を行わせるラッパープログラムの体系的な実装開発方法を提案し,機構シミュレータと制御ソフトウエアシミュレータの接続用に実装した。 (3)シミュレータ協調動作実行環境の開発(金井・岸浪担当) 分散協調シミュレーションの国際標準であるHLA(High-Level-Architecture)に準拠したミドルウエアツールe-RTIを用い、(1)のツールおよび(2)の開発手法を利用して、市販の機構シミュレータと制御ソフトウエアシミュレータが、実時間で協調する実行環境を開発し、CDドライブ装置の動作制御の機能検証に応用し、隠された設計ミスの発見に有効であることを確認した。
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