研究概要 |
(1)分散型意思決定システムの基本構成 自律分散型生産システムにおける設備計画,工程計画および生産計画の策定を,分散型意思決定プロセスにより実現するためのシステムの基本構成を検討した.すなわち,生産品種および生産量の予測および変動のデータに基づいて,生産設備および生産対象製品などの構成要素が分散した意思決定により必要な計画を策定する手順,これらの構成要素の間で必要な協調手順・協調の際に必要なインタフェースの仕様を設計することにより,システム全体の基本構成を確立した.本研究では,特に機械加工を対象とする生産システムを考えた. (2)生産システムの生産計画システムの開発 (1)の基本構成およびインタフェース仕様に基づいて,生産計画システムを開発した.ここでは,生産設備の持つ生産機能と生産能力,生産対象の生産工程に関する情報に基づいて,要求される生産品種と生産量を満足することができる生産計画,すなわち生産設備への作業の負荷計画とその生産スケジュールを策定する分散型システムを開発した.特に,生産設備と生産対象が独自の分散型意思決定と協調に基づいて自身の生産計画を策定するシステムを提案した. (3)生産対象製品の工程計画システムとスケジューリングシステムの開発 (2)の生産計画を策定する際に必要となる生産対象製品の工程計画を設計するシステムを開発した.ここでは,生産対象製品の設計データおよび生産設備への作業の負荷計画に基づいて,各製品が自身の生産工程で要求される作業とその実行順序を設計するシステムを開発した.さらに生産品種および生産量の変動により生産設備への作業の負荷計画あるいは生産スケジュールに変更がなされた際に,工程計画を再編成し,適切な生産スケジュールを策定する手法を開発した.
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