研究概要 |
本年度はゾルゲル法によりシリカSiO_2研磨材すらリーを試作し,その研磨特性を実験的に検討した。そして,この結果より、シリカによるCMPメカニズムの化学的(C),機械的(M)研磨(P)作用を定量的に分析し,その研磨メカニズムモデルを構築した.これにより,メタルCMP用スラリー開発の方針を得ることができた.本年殿成果を要約すると以下のとおりである.CMP研磨機構をできるだけ単純化させることを目的とし,素性の明らかなスラリーを試作し,市販のスラリー(種々の不明な添加物を含む)と対比させながら,系統的なCMP実験を行った.すなわち;(1)CMPにおけるpHの効果・・・化学的作用の検討 (2)砥粒径,濃度,個数密度の効果・・・機械的作用の検討 (3)添加剤の効果…物理,化学的効果の検討 以上,主として3つの視点からCMPのメカニズムを追究した.本実験から次の所見を得た. (1)添加剤は研磨作用そのものに直接関わっておらず,2次凝集の防止や研磨後の後処理を行うための補助的なものである. (2)表面へのシリカの堆積は,砥粒がワーク表面に2次凝集した結果である. (3)砥粒粒径が大きくなるほど,研磨量は増大する. (4)パッドと加工面の接点(研磨作用点)数が増大するほど,研磨量が増加する. (5)CMP作用は,砥粒-砥粒間の結合力,砥粒-工作物材質間の結合力,砥粒-パッド材質間の結合力,この3者の強度関係で決定する.
|