研究概要 |
本研究は,超精密Mesoスケール部品の創成を目指している.このため,Mesoスケール部品の超精密加工に欠かすことのできない,マイクロファクトリ用小型高性能スピンドルを開発することを目的としている.具体的には,これまでの研究においてすでに開発に成功しているスピンドルの小型化と高性能化に関する検討を行い,これに基づいてスピンドルの改良を行う.さらに,スピンドルの回転数制御に関する検討と効率を向上させるための検討も行う. 本年度の研究実績を以下にまとめる. (1)開発したスピンドルに組み込まれた静圧軸受の剛性の測定を行うとともに,軸受絞り径と軸受剛性の関係を検討した. (2)スピンドルを市販の超精密工作機械に取り付け,加工実験によりスピンドルの性能について検討を行った.本加工実験においては,アルミニウム,銅,真鍮を加工材料に用いて行った.その結果,どの材料に対しても,加工表面にうねりが発生することが明らかになった.この原因については,今後検討を行う必要があるが,スピンドルに供給する水の脈動に起因したものである可能性がある.そこで,脈動を吸収する装置の設計も実施した. (3)上記(1)の軸受剛性を上げるために,スピンドル設計用プログラムの修正を行い,設計変更を行った.今後,改良を行ったスピンドルに対して,性能試験を行う予定にしている. (4)スピンドルの回転数制御に関する検討を行うため,流量制御弁と回転数制御実験を行うためのスピンドルの設計を行った.今後は,製作した装置を用いて評価実験を行う予定にしている.
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