研究課題
基盤研究(C)
代替燃料としてのメタノールを用いた場合の2ストローク機関において、運転条件が潤滑および排気煙の状況に及ぼす影響を明らかにすることを目的として研究が行われた。2ストローク機関はその機構上、潤滑油は燃料と共に燃焼室に供給され、一部は燃焼して排気ガスと一緒に排出されるために、燃焼室内デポジットの堆積と少なくない排気煙という特有の問題を抱えている。デポジットの生成は、シリンダ内の圧力、温度、流れ、オイルの存在時間などに影響される複雑な現象である。このデポジット及び排気煙生成を減少するためには、まず、生成環象を明確にしなくてはならない。本補助金交付期間においては、特にピストンヘッドに付着堆積するデポジットとメタノールを燃料としたときの排気煙の状況を把握するために、ガソリンを燃料とした場合と比較検討する方法で現象を明らかにした。研究は、潤滑に関するもの、燃焼室デポジットに関するもの、および排気スモークに関するものの3種類について行った。潤滑とデポジットに関する研究では、現象を簡単にするための簡単なモデルによる模擬実験と、実機運転による実験を行い、排気スモークは実機運転による測定を中心の研究を行った。燃焼室デポジット生成やスモーク排出に与える影響因子とその効果を示し、メタノール燃料を用いたときとの差をある程度明らかにすることができた。これらの研究成果は、燃焼室デポジットに関するものについては、論文発表を2件と学術講演会での発表を9件行った。潤滑に関しては講演発表が4件、また排気スモークに関するものとして2件、および関連するシリンダ内の流れに関するものとして4件の講演発表を行った。以上の論文1件と講演論文前刷り19件をまとめて、研究成果報告書とした。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
Conference VAFSE2006, The Vehicle Alternative Fuel System and Environmental Protection (投稿中)
日本機械学会論文集(B編) 71-702
ページ: 717-723
Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers Vol.71, No.702