研究概要 |
CGやCADにおいて点群を内挿する問題は基本的な課題の1つである.ラジアル基底関数による陰関数表現は再メッシュ化や面の平滑化など様々な問題を統一的に解決する手法となっている.本研究では,八分木による空間分割(space decomposition)に基づく点群から形状を高速に再構築する簡潔な手法を提案する.八分木により分割された個々のセルに対して,台が無限に広がったラジアル基底関数(infinitely supported radial basis function)により,各セルに割り当てられた点群を内挿する. ラジアル基底関数による陰関数表現は再メッシュ化や面の平滑化など様々な問題を統一的に解決する手法となっており,本研究では点群を内挿する問題に適用した.この論文で,3D点群データから八分木により分割された個々のセルに対して,台が無限に広がったラジアル基底関数(infinitely supported radial basis function)の一つであるtriharmonicラジアル基底関数により,各セルに割り当てられた点群を内挿し,RBFを用いて形状を再構築するために八分木が高速化に寄与することを示した.また,八分木のセルに割り当てる点群の数と処理時間との関係を理論的に,また実験的に調べ,点群の総数に依存しない最適な数値があることがわかった. 本年度はさらに,実際の3Dレーザスキャナから得られたデータに上記の手法を適用した.ラジアル基底関数を用いた点群形状の内挿に関しては,点群の座標データ以外に,そこでの法線情報が必要であり,点群からそれらの法線を計算した.データ点群そのものは位相情報を持っていないが,走査順序に並んでいるため,効率良く法線が計算できる.実際の測定データからも曲面が生成できることを確認した. 来年度は八分木の生成法をより高度化し,より高速に処理できるようにアルゴリズムを改良する.
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