研究概要 |
平成15年度は、モジュールの組合せで様々なロボットを構成できる市販のブロック玩具を対象として、走行型ロボットの機体案生成のためのモジュールライブラリと遺伝的アルゴリズム(GA)によるモジュール配置の実装により、ロボット機体の発案支援システム構成の基礎を提示した。その結果、機体への要求機能をすべてGA適用時の配置制約に置き換えることは困難であり、また,ロボットとして要求機能を発現しているかの検証には,その動的挙動を見る必要があることがわかった。そこで、平成16年度は、前述の問題点の解決法を提示し、さらに異なったタイプの様々なロボットにも適用範囲を拡張することを試みた。これにより、提案手法を用いて、一般の機械製品の発案支援システムを構成するための基盤を与えた。その方法は、次のとおりであった。 (1)市販の動作解析ソフトウェアを用いて、設計案として提示された走行型ロボットの挙動解析を行い要求機能が満たされているかどうかを確認した。 (2)提案手法の実用への適用を意識して、モジュールライブラリの構成法を再考し、より複雑で多様なロボットの機体設計支援のためのライブラリを構成法を提示した。そして、そのモジュールライブラリをベースとして、機械モジュールの組合せ配置案の生成プロセス,各案が要求機能を満足しているかの検証プロセスを含んだ発案支援システムの構成を提案した。 (3)以上により,単位機能の発現単位であるモジュールを複数組合せて発現する複合機能をユーザ要求と合わせることで製品イメージを創り出すという考え方に基づいて,一般の機械製品を対象とした発想段階で用いる設計支援システムの構築法を提示した。
|