粒子クラスターの形成において粒子と周りの環境とのインタラクションを精確に見積もることは、粒子間付着力を有する粒子塊(クラスター)の形成メカニズムの解明に必要不可欠である。そのためにはまず対象とする粒子充填層における吹き込むガスが形成する気泡挙動と粒子移動現象との関係を更に議論する必要がある。本年は加圧下における充填層内の単一ノズルから生成した気泡の成長及び崩壊の一連の挙動に関して、実験と数値計算両者から粒子径、層高、圧力の影響を明らかにした。微粒子でも400μmのような比較的大きい粒子の場合は、気泡発生に必要とする流入空気量が増加するためガス流れが噴流状態への移行を早めること、気泡の上昇速度は、気泡径の大きさに比例して増加していること、これら(粒径100μm〜400μm、層内圧力0.1〜0.7MPa)を考慮し、単一ノズルから発生する気泡の上昇速度に関する新しい近似式が提案できたことなどが成果として列挙される。さらに影響因子の1つである温度の影響を見るため気泡流動層内鉛直伝熱面周りの伝熱特性を調べた。伝熱特性は層内に設置した鉛直平板伝熱面周りの温度環境と粒子挙動、クラスター形成と層内圧力、層高、ガラスビーズ粒子径、ガス流速が与える影響を実験的に調べることでえられた。その結果、充填層高70〜90[mm]の範囲では熱伝達には顕著な影響は見られないこと、加圧することにより粒子ヌッセルト数は増加すること、ヌッセルト数が極大値をとる速度比が減少すること、粒子径により最大ヌッセルト数をとる速度比は異なる値をとることなどが分かった。
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