研究課題
基盤研究(C)
粒子クラスターの形成において粒子と周りの環境とのインタラクションを精確に見積もることは、粒子間付着力を有する粒子塊(クラスター)の形成メカニズムの解明に必要不可欠である。影響因子のモデルとして常圧下で吹き込みガスの湿度を調整すること(相対湿度30〜90%)で、液架橋による粒子間付着力を人工的に制御し、クラスターを形成させる。それら形成条件を整えることで形成メカニズムと形成プロセスを検討した。さらには形成クラスター群(これらが積層し難流動粒子群を形成する)を崩壊制御するために、容器側面から超音波を印加させその層における間接的な圧力損失の測定により、クラスター崩壊の程度を計測した。これは流動性の程度により熱伝達へも影響するのでこれも同時に測定した。後者の場合、分散版からのガス流れはチャネリングという流路を形成(クラスター群を回避しながら進行するガス流れ)するので、超音波印加強度と関連付けて層高くガラスビーズ粒子径、ガス流速を変えることで実験的に調べた。その結果、超音波印加により、液架橋が破壊されチャネルの形成を避けることができ流動状態を改善することが可能であること、一度、層内にチャネリングが形成されると、粒子間に液架橋が存在していない流動状態における熱伝達率と比較して90%以上の熱伝達率の低下があり、きわめて回復が難しいこと、低湿度(クラスター形成の程度が小さい)状態では、超音波印加は層内の流動状態に影響を与えることができるが、影響は比較的低流速において表れるため、最大熱伝達率にまでは顕著な影響を及ぼさないことなどが知見として得られた。
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