研究課題
基盤研究(C)
本研究では、複雑な形状の不規則粗面を固体境界とする乱流を数値シミュレーションによって解析するための、粗面モデルを構築することを目的としている。複雑粗面はその流動抗力、熱伝達を精度よく求める必要が高まっているが、粗面をモデル無しに扱うことは、計算機容量の制約があって、実用上は不可能である。モデル化の基本方針は、不規則な凹凸から、規模が大きく高さが高い突起領域を抽出し、得られた領域を簡単な形状の等価的な定型粗さ要素で置き換えるもので、モデル定型粗さ要素の抗力、熱伝導係数等の熱流体特性は予め数値計算によって求めておく。実際の不規則粗面はこれらの諸特性を用いて算出された値を、壁面上に分布させ、事実上二次元的に取り扱おうとするものである。このために、本研究では先ず、半球を主に、幾つかの形状の抗力特性と熱伝導特性を、さまざまな配置、レイノルズ数に対して詳細に求めた。レイノルズ数が小さいときは層流を仮定してよく、大きいときは乱流を仮定して二方程式モデルを用いて解いた。この結果を用いた円管乱流の管摩擦係数は実験結果を満足に予測する。次に、粗面の重要な突起部分を抽出するためにウェーブレット多重分解法(MRA)を用いた。MRA理論を二次元に拡張し、粗面を疎視化し、適当なレベルの疎視化粗面について粗さ高さにある閾値を与えてこれを超える領域を粗面を代表する粗さの峰と考える。これらを体積の等しい半球で置き換える。このように簡単化されたモデル粗面を作成することができた。得られた粗面の熱流動特性が原粗面のそれたと一致することを確かめなければならないが、このためには十分容量の大きな計算機が必要で、本研究の範囲では確認するに至らなかった。
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