研究概要 |
ステレオPTV技術を用いて微小空間の流動を計測するためには,被写界深度を深くかつ高分解能で画像を撮影する必要である.さらに,ステレオ配置した2台のカメラを精密に設置し,その設置パラメータの誤差を高精度に補正できなければならない. これらの条件を実現するためにテレセントリックレンズを用いて平行投影画像を撮影する方法に着目し,カメラ設置法,ステレオ配置誤差の補正法,光学系の誤差補正法などを含む「平行投影法によるステレオ計測法」を開発した.平行投影ステレオ計測法は後述のステレオインラインホログラフィによる3次元位置決めにも適用される. 試験的に流路幅100μm深さ30μmの微小流路内の流れを計測したが,外部からの振動の影響していることが分かったので,次年度ではこの問題を改善する予定である. 被写界深度の深い画像といえばホログラフィである.通常のレンズで画像を撮影する方法と並行して,本研究ではホログラフィを利用する方法も検討している.ホログラフィをマイクロPTVに適用するにはいくつか解決すべき問題がある.たとえば,通常のオフセットタイプホログラフィは振動に過敏で実用的でないので,本研究では光学的に構成が単純で振動の影響が少ないインラインホログラフィを用いる.インラインホログラフィ法をマイクロ流れのPTV計測に導入するためには,(1)ホログラムからの像再構成,(2)ホログラフィの拡大撮影,(3)光軸方向の高精度位置決めなどの技術を開発する必要がある.(1)は昨年度に解決し,(2)(3)に付いては本年度解決できた.課題(3)のためには,微小空間おいてステレオインラインホログラムを撮影する光学系とその再構成画像から精度よく光軸方向(z軸)位置を決定する解析方法を開発できた.
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