研究概要 |
2枚の平板間に液晶を充填し,すべての分子が平板に平行な方向に配向している状態で電圧を印加すると,壁面近傍以外の液晶分子は重心まわりに回転し平板に垂直方向に配向する.このとき平板間には流動が誘起される.この原理を応用すれば従前の機構と全く異なるアクチュエータを開発できる.すなわち本アクチュエータの特長は,液晶という「液体」を用いるので, (1)機構が極めてシンプルである (2)形状に関する制約を受けない (3)原理的には連続体力学が成立する数十ナノオーダーまでダウンサイジングが可能である ということである. 本年度は,平板間の速度分布を可視化実験により求め計算結果と比較した.得られた結果は以下の通りである. 1.数値計算によって予測された流動の発生を実験的に追認できた. 2.ツイスト角が0°の場合,速度分布はセル厚方向の中央面に関して皮対称なS字曲線となる. この結果は印加電圧に依存しない.ただし速度の絶対値は印加電圧が大きいほど大きい. 3.ツイスト角が180°の場合,速度は一方向に発生し,セル厚方向の中央面で最大となる. 4.実験結果と計算結果は満足に一致した.
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