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2004 年度 実績報告書

燃焼場で発生する微粒子前駆物質のレーザー計測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15560169
研究機関群馬大学

研究代表者

天谷 賢児  群馬大学, 工学部, 助教授 (20221731)

キーワードレーザー計測 / レーザー誘起蛍光法 / 蛍光スペクトル / 多環芳香族炭化水素 / 分光分析 / すす粒子 / ナノPM / 燃焼
研究概要

本研究では,火炎中で発生する粒子状物質の前駆物質である多環芳香族炭化水素を,測定するレーザー計測法を開発した.特に,従来からあるレーザー誘起蛍光法と分光分析法を結びつけて,多環芳香族炭化水素から得られる蛍光スペクトルに関するデータを収集し,実際の火炎場で観察されるスペクトルデータから,これら多環芳香族炭化水素の同定を行う方法の確立を目指したレーザー誘起蛍光法はレーザー光を物質に照射して励起し,その後に発せられる励起光を検出することで,その物質の同定を行う方法である.この方法を多環芳香族炭化水素に応用する場合,多環芳香族炭化水素はベンゼン環の数や結合状態によって,基準振動状態が異なり,照射光に対する吸収感度や蛍光スペクトル構造が微妙に異なっている.そこでまず,さまざまな多環芳香族炭化水素の蒸気に対して,種々の波長のレーザー光を照射し,得られる蛍光のスペクトルに関する詳細なデータベースを作製した.次に,このデータベースを基に実際の燃焼場から得られる蛍光スペクトルの形状を解析して,燃焼場内での多環芳香族炭化水素の同定を行う方法を導入した.その結果,蛍光スペクトルのピーク波長から多環芳香族の構成炭素数を推定できることがわかった.特に,実際の火炎中での計測結果から,すす粒子が発生する領域の直前では,炭素数が18〜26程度の多環芳香族炭化水素が存在することが推定できた.また,このような推定法と同時に多環芳香族蛍光の緩和時間とすす粒子の赤熱発光時間の差を利用して,両者の像を分離する方法も開発した.さらに,実際の内燃機関における燃焼を想定して液体燃料の拡散火炎中の多環芳香族炭化水素についても蛍光スペクトルの観察を行った.その結果,ガス燃料の場合と同様にすす粒子が発生する直前の多環芳香族炭化水素の炭素数はおよそ18〜26程度であることが確認できた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] ラマン散乱による輝炎内の燃料濃度分布測定2005

    • 著者名/発表者名
      林田和宏
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集(B編) (印刷中)

  • [雑誌論文] PM CHARACTERISTICS OF LIQUID FUEL POOL COMBUSTION2005

    • 著者名/発表者名
      Kenji Amagai
    • 雑誌名

      6th World Conference on Experimental Heat Transfer, Fluid Mechanics, and Thermodynamics (印刷中)

  • [雑誌論文] 火炎中に生成される多環芳香族炭化水素のレーザ計測(第1報,時間分解計測によるレーザ誘起蛍光と赤熱発光の分離)2004

    • 著者名/発表者名
      佐藤桂司
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集(B編) 70巻・692号

      ページ: 1051-1057

  • [雑誌論文] 火炎中に生成される多環芳香族炭化水素(PAHs)のレーザ計測(第2報,レーザー誘起蛍光スペクトルを用いたPAHsの推定)2004

    • 著者名/発表者名
      佐藤桂司
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集(B編) 70巻・696号

      ページ: 2183-2190

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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