研究概要 |
HFC-32/水界面上およびHFC-134a/水界面上を成長するHFC-32水和物結晶およびHFC-134a水和物結晶の界面に沿った方向への成長速度を実験的に測定した.HFC-32水和物結晶に関する検討の結果,同水和物結晶の界面に沿った方向への成長速度は,その核生成直後から減速し,数秒後に約5mm/sに漸近することを明らかにした(圧力P=617kPa,サブクール度ΔT=10.9K:ΔT=該当圧力における水和物生成温度-バルク温度).一方,HFC-134a水和物結晶に関する検討の結果,同水和物結晶の界面に沿った方向への成長速度は約0.4mm/sに漸近する様に減速することを明らかにした(P=246kPa,ΔT=6.0K). また,上述のHFC-32水和物結晶に関する実験結果と本研究で作成したクラスレート水和物結晶(包接水和物結晶)の物理モデル(熱移動モデル)の計算結果とを比較・検討した結果,成長中のHFC-32水和物結晶の厚さは1μm程度であることが明らかになった(P=617kPa,ΔT=10.9K).他研究者(Ho et al.(2002) Proc.4th Int.Conf.Gas Hydrate, 2,850-855)によるHFC-32水和物結晶の厚さの測定結果によると生成数時間後に110μmになることから(P=617kPa,ΔT=8.8K), HFC-32水和物結晶の厚さ方向への見かけの成長速度は10^<-2>μm/s程度であると考えられ,界面方向への速度(5mm/s)に比べて著しく遅いことが明らかになった. 上記に加え,本研究の知見を基にした「クラスレート水和物連続生成装置の性能予測法の開発」を行う際の検討対象として,既知の界面面積を持つクラスレート水和物連続装置の設計・開発を行った.
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