研究課題/領域番号 |
15560173
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
斎藤 彬夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40020432)
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研究分担者 |
熊野 寛之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30262299)
大河 誠司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60201373)
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キーワード | 氷蓄熱 / 貯氷 / 多孔質 / 透過率 / 水みち |
研究概要 |
かき氷をふるいにかけ、細氷粒子径0.5〜1.0mm、1.0〜2.8mm、2.8〜4.0mmの三種類の大きさに分け、それぞれを円筒管内に保持することにより多孔質体を形成させた。そして、0℃の水を流して多孔質体の透過率の測定を行った。その際の測定項目は、水の流量、出入り口圧力差、温度である。その結果、細氷の詰め方により空隙率は異なるものの、空隙率と透過率の関係はKozeny-Carmanの式により表すことが出来ることを明らかにした。また、その後、多孔質体を円筒管ごと0℃の水中に長時間保持し、貯蔵にともなう透過率の変化を実験により検討した。その結果、空隙率は減少するものの、透過率は逆に増加する傾向にあることを明らかとした。また、その原因を突き止める為、細氷形状の顕微鏡観察を行った。その結果、貯蔵前の細氷は、粒子径の大小に関わらず角張っていて表面もざらざらしていること、一方貯蔵後の細氷は、粒子径の大小に関わらず丸くなっており表面の凹凸も無くなっていることを明らかにした。これにより、貯蔵により透過率が増加した原因は、Kozeny-Carmanの式中に使用される試料層中の流路のねじれに関係する係数であるKozeny-Carman定数が減少したためであることが分かった。さらに、水みちのでき易さとの関係を検討するため、0℃以上の温度の水を流す実験を行った。その結果、貯蔵により、細氷粒子は互いに付着する反面、表面の凹凸が消えた分、水みちは出来にくくなることが予想されたが、貯蔵前であっても貯蔵後であっても水みちの形成過程に顕著な差異は認められなかった。
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