本研究は、アルミニウム熱交換器の撥水表面処理による伝熱促進の効果を実験的に検証するとともに、その熱的設計に資する伝熱情報を提供すること。また、自然冷媒の一つであるアンモニアの撥水表面処理管上凝縮熱伝達と凝縮機構の解明を最終目標とし、比較的実験が容易な水、エタノール、常温近傍に沸点を有する代替フロンなどを試験媒体として定量的な伝熱促進、撥水性が伝熱に及ぼす影響、表面張力と凝縮形態の関係などを実験的に明らかにすることを目的としている。本年度は、実験装置の改修と測定方法の確立を中心に行い、平行して伝熱管の表面処理方法の選定を行った。光触媒効果のある表面処理の選定は、いくつかの候補からアンモニアに対する耐食試験と種々の表面張力が異なる試験流体について液滴の接触角測定実験を行い、それらの結果と表面観察などの総合的評価から、アルミニウムおよび銅に対する最適な撥水・親水性表面処理を決定した。さらに、選定した表面処理管を用いた蒸留水による凝縮実験を行い、各種実験条件による各表面処理管の凝縮形態の観察、未処理伝熱管に比べ撥水処理伝熱管の伝熱性能が向上することを実験的に明らかにした。
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