研究課題/領域番号 |
15560184
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富村 寿夫 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教授 (70136563)
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研究分担者 |
張 興 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教授 (40236823)
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キーワード | 摩擦攪拌接合 / 摩擦発熱 / 固相接合 / 動摩擦係数 / アルミニウム合金 / 突合せ継手 / 重ね継手 |
研究概要 |
本年度は、摩擦攪拌接合用の金属保持台の設計・製作、基礎データの取得、回転ツールおよび接合材料の温度場解析用数値解析プログラムの開発の3項目を主要な課題として研究を展開した。 摩擦攪拌接合用の金属保持台は、上面の試料ホルダーが厚さ15mm、下面のスラストホルダーが25mm、側面が20mmのステンレス製である。これらは高剛性形クロスローラーベアリングとベアリングケースを介してベース基盤上に設置されており、中心軸に対して自由に回転できる構造とした。この設計により、回転ツールから試料に作用するトルク計測を正確に行うことが可能となった。 金属保持台の中央空間部には角度45°でミラーが設置されている。このミラーと赤外線放射温度計により、試料裏面側の非定常温度場のリアルタイム測定を行った。さらに試料表面とツール表面の非定常温度場測定、熱電対とデータアクイジション装置の組み合わせによる試料温度の測定も行った。 回転ツールにより試料に作用する押付け圧力とトルクに関しては、圧力センサーとデータアクイジション装置により行った。なお、押付け圧力の測定に際し、FSW実験装置のアーム部を改良し定トルクアームを設置することにより、試料に任意の一定押付け圧力がかかるように工夫した。 実験は、A1050純アルミニウムおよびA7075アルミニウム合金の各試料に対し、特殊鋼製回転ツールの先端形状、ツール回転数、接合用金属へのツールの押付け圧力を変えて行い、一連の基礎データを取得した。その際、各押付け圧力おけるツール先端部と試料の接触状態をプレスケール感圧紙により可視化した。 数値解析プログラムに関しては、Excelの表計算機能を応用した新たな解析手法を開発した。そして、実験に対応するパラメータに基づく一連の数値解析を行うとともに実測値とのマッチングから、回転ツールと試料間の動摩擦係数を実用的なレベルで評価できる目処を得た。
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