研究課題/領域番号 |
15560219
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川上 浩司 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (90214600)
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研究分担者 |
塩瀬 隆之 京都大学, 情報学研究科, 助手 (90332759)
半田 久志 岡山大学, 工学部, 助手 (60304333)
須藤 秀紹 秋田公立美術工芸短期大学, 産業デザイン学科, 講師 (90352525)
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キーワード | ユニバーサルデザイン / 対話型人工物 / 緩やかな拘束 / アフォーダンス / 制約充足問題 / 認知的課題の変化 / 様相理論 / 設計支援 |
研究概要 |
本研究の目的は、ユニバーサルデザインの実現のために、従来のような定量的物理特性(サイズ・形状・色・材料の物性など)の変更という対処療法的な方法ではなく、定量的な値がただちに利用できない設計段階から一貫してユニバーサリティを考慮する設計方法論を策定することにある。 研究計画当初から研究遂行の基軸として設定しているのは、従来からの我々の研究成果をふまえて導出した仮説の検証である。この仮説とは、「特定の個人にとっての最適で唯一な操作系列」だけではなく様々な操作を許しているが、緩やかな拘束によって操作の選択肢を操作者にアフォードし、操作とそれに対するアフォーダンスの変化があたかも「対話」を成立させる人工物が、ユニバーサルデザインされた物の一つのあり方というものである。 平成15年度には、「緩やかな拘束」を定性的に記述する方法の一つとして様相論理に着目し、システムの状態変化と因果律とのインタラクションに対して様相論理表現が緩やかな拘束を与えるモデルを構築した。また、その応用例としてビジネスモデルの新規性を様相論理表現に写し取る方法を示した。 一方、定性的な段階での設計結果を定量的な段階に反映させるために、定性的状態記述を定量的なパラメータ割り当てに対する「制約」と捉えて、制約充足問題解決手法の適用を検討しているが、そこで得られた結果の一つを国際会議で発表した。 さらに、「使用者と人工物との会話」という観念的な主張をある種の指針という形にまで具体化するために、認知科学的知見の援用を試みており、そのためのフィールドワークの一つとして、大阪府内の病院と連携して、「ユニバーサリティを考慮に入れたリハビリテーションセンターの設計」に当研究グループの一人が参画している。
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