研究概要 |
本年度は研究期間の最終年度に当たり,4脚ロボットの外部認識機能を搭載し,状況判断させながら整地における目標物追跡行動および不整地における3次元的障害物回避行動の検討を行った。また,転倒危険度を導入することにより,変動する不整地路面に対して姿勢安定化制御についても検討を行った。 まず,昨年度試作した4脚ロボットに加えて,不整地歩行用に脚関節構造の異なる4脚ロボットを試作した。本年度のロボットには,傾斜センサ,関節角センサ,脚先タッチセンサ,超音波センサを搭載している。 次に,昨年度の研究の続きとして,昨年度試作ロボットに外部認識機能として小型CCDカメラを搭載し,画像情報を用いて障害物や目標物を認識させる。その結果を用いて,昨年度生成した整地での直進行動,左右旋回行動を組み合わせた目標物追跡実験を行った。その結果は,目標物を環境内から抽出し,目標物に向かって直進,左右旋回行動を適応的に切り替えることで目標追折行動が行えることを確認された。 また,本年度試作したロボットを用いて,外部認識機能を超音波センサとして,3次元障害物回避行動を行った。歩行環境が不整地であることから,非周期的な歩容パターンを導入している。超音波センサは周辺障害物までの距離を計測し,障害物を迂回回避が必要な障害物,潜り抜けが可能な障害物,乗り越えが可能な障害物かのいずれかに分別し,それぞれの障害物回避に適った歩容パターンを選択させている。その結果,障害物の3次元的な回避が可能であることを確かめた。 最後に,転倒危険度を導入し,立脚面の傾斜が時間的に変動する場合においても,ロボット姿勢を安定に保つように,各脚関節角を自動的に制御する姿勢安定化制御について検討した。その結果,任意に変動する立脚面に対しても本体傾斜をほぼ水平に保てることが可能であることを確認した。
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