研究課題/領域番号 |
15560224
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
青木 義男 日本大学, 理工学部, 教授 (30184047)
|
研究分担者 |
福田 敦 日本大学, 理工学部, 教授 (90208950)
青木 和夫 日本大学, 理工学部, 教授 (70125970)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
キーワード | 運転支援 / 高齢者電動カート / 事故抑制 / 人間-機械系 / 振動感覚 / 生体計測 |
研究概要 |
近年、高齢者用電動カートの普及に伴って、歩行者や車両と電動カートの事故が増加しており社会的な問題となっている。そこで、このような事故を未然に防ぐために、ITS技術と生体計測情報のヘルスモニタリング技術を融合させた、遠隔型のヘルスケア・ナビシステムを開発することを目的とした。平成16年度は、高齢者用電動四輪車(本田技研工業社製Monpal ML100)を用いた走行実験を継続して行い、道路脇や歩道走行時の振動環境計測と運転者の生理的・心理的影響を検討した。これは自動車とのすれ違いなどによる不安感から、安全確認や状況判断を誤って事故を起こす人が多いためである。走行実験は、大学生8名、高齢者2名を対象として行い、走行時の頭頂部と腰部の加速度ならびに心拍数の変動を測定し、走行実験後に心理的影響に関するアンケート調査を行った。この結果、路面状態、特に、石畳や車道への傾斜部、道路陥没、アスファルト補修路面などの走行時に運転者に、予想以上の加速度レベル(上下方向1G以上)が負荷されることが判明し、同時に多くの被験者から心拍数の上昇が計測され、不安定な走行に起因する不快感を感ずる者が多いという調査結果が得られた。また、人ごみの中を走行する際、狭い道での車とのすれ違い時に心拍数が増加する傾向が見受けられ、運転者の視点の低さによって歩行者よりも緊張感が増すことが明らかとなった。これらの結果は高齢者の場合さらに顕著になったため、運転者の受ける加速度レベルと心拍変動をひとつの指標として、自動的に走行速度の抑制、自動停止させるなどの運転支援の必要性を示唆した。これは車載型の運転支援装置の追加装備で対応可能である。また、石畳などの景観に配慮した路面環境は、歩行者にとっては、さほど気にかかるものではないが、現状の電動四輪車では運転者の受ける加速度レベルが、長時間走行の際に疲労を蓄積させることもあるので、タイヤのサイズやサスペンション機構、さらに着座位置の高さを現状より高くする工夫や、座席からのずり落ちを防止するために座面形状に多少の凹凸を設けること、ひじ掛け部分の寸法についても一考の余地があることを示した。
|