研究概要 |
本年の研究は主として下記の2点に対して実施された. (1)生物における冗長性の調査と機械システムへ応用 (2)マニピュレータの諸冗長性の評価とそれに基づく創成方法の提示 (1)に関しては,機械システムの材料,構造,機構,センサー,アクチュエータ,制御方法に対応すると考えられる生物の冗長性に関する内外の研究調査を実施し,その結果を整理しながら応用への検討を行った. また(2)に関しては,まずマニピュレータの諸冗長性の把握とその評価方法に対する研究を行った.特に今年度はマニピュレータの自由度およびアクチュレータに関する2種類の冗長性に着目して,人間の肩から腕部および手先に関する冗長自由度とアクチュエータとしての筋肉の冗長性を主として研究対象とした.人間の肩から腕部および手先に対応する平面3リンクモデルと筋肉に対応するアクチュエータモデルを考え,いくつかの評価関数の下で最適な軌道や筋力の分布を求める解析や冗長マニピュレータの創成方法を提示した.この方法により数値計算を行い自由度の冗長性や筋肉の冗長性との関連を調べた.ここで得られた成果は日本機械学会関東支部の50周年記念講演会にて発表した.また研究協定校として共同研究等を行っている中国大連理工大学においても共同セミナーを設け,発表を行い,諸観点からの議論を交換した. さらに解析に対応する実験装置によりモデル実験も行い解析との比較を行った.
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