研究課題
基盤研究(C)
初年度は、提案するハルバッハ形永久磁石可動子を持つ鉛直形リニア同期モータの複数の設計案を計算し、その基本特性を具体的に把握した。複数案を設計してその推力特性や磁束分布を計算して、比較検討することで、望ましい特性を持ちながら製作も容易な磁石配置の方法や、具体的な磁石形状、永久磁石使用量を検討した。その結果を利用して、実験のための試験機の設計を行った。さらに、試験機の製作作業と、必要な部分の製作委託を外部に行って、支持機構としての、磁気浮上制御システムの設計と実験を行った。対抗する永久磁石ハイブリッド型の制御電磁石とその制御部を実装することで、磁気浮上システムの制御がうまくいくところまでを試験で実証できた。また磁気浮上制御におけるオブザーバの効果も確認できた。一方で、今回提案したリニアモータが、可動子の内部応力が予想以上に大きく強度を十分持ちながらも軽い構成部材の選択に慎重な考察を要すること、さらに、電機子が本質的に電磁ノイズを多く出すという問題点がわかり、リニアモータ駆動用のインバータから発するコモンモードの電磁妨害を防止する基本的対策を施した。しかし、センサ系への電磁妨害の影響を完全に抑庄するにはいたらなかった。そこで、電磁妨害対策を見直し、駆動制御における可動子位置検出の方法を工夫し、二次元駆動実験への展開を目指す検討を行った。具体的には(1)鉛直輸送用リニア同期モータの制御電源の実装および配線方法の見直し(2)鉛直輸送用リニア同期モータの可動子位置検知方法と位置制御方式の検討(3)オブザーバを用いた簡略なセンシングに基づく制御方法の考案、動的シミューレーションによる動作検証を行った。デュアルサンプルレート・オブザーバに基づく駆動制御の有効性が確認された。一方、時間的制約から、本年度内の作業として水平移動用リニアモータ電機子の製作を見送らざるを得なかったが、二次元駆動における水平方向の駆動は、基本的に鉛直方向への一次元駆動原理の応用として実現が見込まれる。
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