研究課題/領域番号 |
15560240
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
長尾 雅行 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30115612)
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研究分担者 |
山田 修一 核融合科学研究所, 装置技術研究系, 助教授 (50249968)
村本 裕二 名城大学, 理工学部, 講師 (70273331)
穂積 直裕 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30314090)
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キーワード | 極低温絶縁 / スペーサ / 微小ギャップ / 導電性異物 / 微小傷 / 氷・絶縁紙複合絶縁系 / 氷結時圧力 |
研究概要 |
1.液体ヘリウム中のスペーサ沿面絶縁破壊特性 スペーサの帯電が液体ヘリウム中における微小ギャップを含めた複合絶縁系の絶縁破壊特性に及ぼす影響ならびに各種異物粒子の冷媒中における存在が絶縁破壊に及ぼす影響について検討・評価した。スペーサ側面の帯電が絶縁破壊電圧を低下させ、その影響はスペーサ端部の微小ギャップの存在と印加電圧極性により変化することが明らかになった。また、低温冷媒中における導電性異物の存在は状況によっては破壊電圧を約20%まで下げることがあるのに対し、絶縁性異物が破壊電圧に及ぼす影響は比較的小さいことがわかった。 2.液体窒素中のスペーサ沿面傷の絶縁破壊特性に及ぼす影響 液体窒素中のスペーサに存在する微小傷が絶縁破壊特性に及ぼす影響を検討、評価した。スペーサに傷がある場合はない場合に比べ絶縁破壊特性が低下した。これは、傷の部分に微小気泡がトラップされ、この気泡が絶縁破壊を誘発するためと考えられた。また、電界方向に対して垂直な傷の場合の方が平行な場合より絶縁破壊特性が若干高くなった。これは、気泡の浮力による上方への移動に対して垂直傷の方が引っかかりの効果が少なく、気泡がスペーサからより離れやすいためと考えられた。 3.液体窒素中における多層絶縁紙-氷複合絶縁系の絶縁破壊特性に及ぼす氷結時圧力の影響 液体窒素中における多層絶縁紙-氷複合絶縁系の絶縁破壊特性に及ぼす氷結時圧力の影響を検討、評価した。印加圧力の上昇の上昇に伴い、絶縁破壊特性が上昇することがわかった。これは、絶縁紙内のセルロース間に存在する氷のクラックが小さくなると共に、試料表面の凹凸も小さくなり、放電空間が少なくなったためと考えられた。
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