「シミュレーションによる回路動作解析と最適回路パラメータ設計」 電気自動車(EV)駆動用などモータ駆動アプリケーションを想定したVVVF/CVCF動作が可能なZCS/ZVS複合ソフトスイッチング正弦波PWMインバータの詳細な回路動作解析を行なうとともに、実際の装置で問題となってくる様々な寄生パラメータが与える影響をコンピュータシミュレーションにより明らかにした。さらに全負荷電流領域でソフトスイッチング動作可能な回路パラメータの設計手法を明らかにした。 「小型モデル試験器の製作」 提案するZCS/ZVS複合ソフトスイッチングインバータがシミュレーション通りに動作することを検証するために、3kW出力容量の小型ミニモデル試験器を試作し、動作確認を行った。その結果、シミュレーションにて示したのと同様に、インバータ主回路内スイッチング素子の完全なZVS/ZCS動作を実機にて実現することができ、スイッチング損失がほぼゼロに低減されていることを確認することができた。 「損失評価シミュレータの開発」 ソフトスイッチング半導体電力変換装置の動作解析シミュレータに、小型モデル試験器による実験結果より得られたスイッチング半導体デバイスの電気諸特性、実測スイッチング特性を組み込み、半導体電力変換装置の各部導通損失、スイッチング損失を推定可能な損失分析シミュレータを開発した。研究室では評価不可能な数10kW級の大電力容量領域における、回路動作特性および回路内の電力損失発生状況をこのシミュレータにより評価することが可能となった。 これらの結果を論文にまとめ、投稿した。
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