研究概要 |
一般の太陽光発電システムにおけるインバータは通常は力率1で正弦波電流連系で働いていて、電源ラインの電圧や電流の品質を改善するような機能は有していない。太陽光発電システムは、通常装置容量以下の有効電力を扱っているので、太陽光発電システムは装置容量を増大させることなく電源ラインの電圧および電流の品質改善にも拡張して働かせることができる。この観点に立ち研究を行った受電ラインの電源品質改善法を以下に示す。 1.連系電流制御システム:このシステムはインバータの連系電流制御に端子電圧制御ループを付加することにより容易に構成することができる。太陽光発電電力をインバータから系統へ送出することに加えて、交流端子電圧の安定化制御と電圧高調補償をさせることができた。 2.電源電流制御システム:このシステムは電源電流制御ループに端子電圧制御ループを付加することでも容易に構成することができる。この付加的なフィードバックループは、発電電力の送出に加えて、制御システムの振動抑制と端子電圧波形ひずみも抑制することができる。 3.太陽光発電陰補償システム:部分陰の影響を受けると大幅な発電電力低下を補償する制御手法を提案し、有効性をシミュレーション解析および実験により明らかにした。 4.連系電力平準化制御システム:二段双方向充放電チョッパ回路を提案し有効性を確かめた。 比較的短い周期での電圧電流波形補償法としての1,2に関しては、シミュレーション解析結果および実験結果から、端子電圧高調波のフィードバックゲイン制御は、電源ラインの電圧電流品質改善制御に非常に有効であることが明らかとなった。 比較的長周期での電力補償や電力品質制御としての3,4に関しては、電気二重層コンデンサ(EDLC)を使った提案回路の有効性を明らかにした。
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