研究課題
基盤研究(C)
太陽電池は、気象条件の変化によって出力特性が著しく変動する。従って、太陽電池から電力を高効率で得るためにはチョッパ回路などの変換器を用いて最大電力追従制御することが必要となる。太陽電池には最適動作点と呼ばれる点が一つだけ存在する。しかし、太陽電池に部分陰が形成された場合には、一般的な最大電力追従制御として、「山登り法」があるが、太陽電池上に部分陰が形成され、出力特性に2つ以上の極値ができたとき、最大電力点でなく部分的極大点で動作することがある。そのような状況において、システムは電力の最も高い最適動作点において動作しなくなる。そこで、部分陰による出力低下を改善するために、出力特性を瞬時に測定して最大電力点を得る瞬時短絡測定法を提案した。提案法を用いて、部分陰を有する太陽電池システムにおいても、最大電力点を探索する「瞬時短絡測定法」を最大電力追従制御に適用することにより、最適動作制御を行うことがシミュレーションおよび実験により確認できた。最適動作制御法は、太陽電池モジュールに部分陰が形成され、太陽電池の定常特性が変化した時に、部分的極大点である非最大点で動作した場合、瞬時短絡測定法に切り替えることで過渡応答特性を取得し、このデータより定常特性を算出する手法を提案した。この定常特性データを基に、最大電力点の通流率を求め、最適動作点で制御することができた。
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電気学会論文誌D・産業応用部門誌 Vol.125、No.7(印刷中)
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